PERIODONTAL DISEASE 歯周病

日ごろの手入れをしっかりと

■歯周病のメカニズム
「歯肉が赤く腫れる」「歯と歯の間にものが詰まりやすい」などの症状が起きる歯周病。歯周病菌が歯と歯茎の境目に付着することで発症します。
歯周病になると歯肉、歯周組織に炎症が起こり、そこに歯石が付着し続けることでさらに悪化。最終的に歯を支えている骨が溶けて、歯が抜け落ちてしまうのです。

恐ろしいのは、とくに自覚症状もないまま進行していくこと…。しかし、きちんとした治療を行えばちゃんと治すことができるので、「あれ…?」と思うことがあればすぐに歯医者さんへ相談しましょう。

■歯周病の初期治療について
(プロービングとスケーリング)

歯周病の初期治療で行われるのは、歯周組織の検査である「プロービング」と歯周病の治療法の「スケーリング」の2つの手法です。ここでは順を追って説明していきます。

【プロービング】
歯と歯茎の間の溝(歯肉溝)の深さを調査する手法です。プローブという専用の器具を使って、歯と歯茎の境目の溝がどのように存在しているか、深さはどうかを診断します。それとあわせて、レントゲンの結果も踏まえながら歯周ポケットの状態を審査。通常2~3mmであれば正常値ですが、それ以上深くなっている場合は、何らかの病的な問題(主に炎症)を抱えている状態です。この深くなった溝を「歯周ポケット」と呼びます。

【スケーリング】
歯周病の原因となる汚れや歯石を取り除くための作業です。「スケーラー(ハンドスケーラーや超音波スケーラー)」と呼ばれる機械や鋭利な器具が使用されます。
超音波スケーラーは、「キーン」という高い音が出ますが、歯を削っているわけではありません。工事現場の削岩機のように、超音波の振動を使って硬い歯石を砕き、弾き飛ばしています。

■歯周病治療の第2段階(SRP)について
スケーリングのあと、歯周病が改善したか再評価をするためもう一度検査します。改善が見られない場合に考えられるのは、歯周ポケットのさらに深い場所に汚れがある可能性です。この際、麻酔をしたうえでその部分の汚れを落としていきます。この段階まで治療が進むと、中等度の歯周病であればかなり改善しているはずです。それでも完治しない場合は外科的な治療として、歯周外科が必要となってきます。そこはまた、より突っ込んだお話を別コーナーでお話ししますね。また、噛み合わせのズレも実は歯周病を進行させる原因の一つなので、そこにもアプローチします。